アコライト一人語り

幼なじみのナイアーが剣士になると言ったので、僕はアコライトになる事にした。
お母さんはもう引退してしまったけれど、昔はその道で鳴らしたプリーストだった。と、惚気るみたいにお父さんが良く話してくれてたから、僕もちょっと憧れていたのもある。
お父さんは騎士だけど。僕はどっちかって言うとお母さんに似たみたいで、剣を持つのは得意じゃなかったから。
ナイアーと一緒に、お父さんに稽古をつけてもらった事はあるけど。やっぱりナイアーの方が上達が早くて、お父さんはよく「お前、家の子にならないか?」とか、冗談みたいに言ってた。
ちょっと悔しかったけど、お母さんに聖職者の方が才能があるって言ってもらったから、それで良いんだ。
人には向き不向きがあって、自分に出来ることをやった方が良い。自分をよく理解して、最善の方法を取れる人間が、長生きできるんだよ。と、これは両親が同じように言う。
だから僕はプリーストになって、色んな人の役に立ちたいと思うんだ。



一緒に頑張ってきたけど、やっぱりナイアーの方が強くなるのが早い。
それは仕方ないよね。僕は知力しか鍛えてないし、一人じゃろくに戦えないから。
まだそんなに差は開いて無いから、置いていかれないように頑張らないと。
一人で出来ることには限界があるから、そろそろ冒険に出るメンバーを臨時で集めているパーティーに参加しようかな。と、思って。
でも、なんだか迷惑をかけそうな気がしたから。お母さんに頼み込んでお古の装備を貸してもらった。
使い古したアークワンドとか、古いビレタとか、他にも。
自分で使うものは自分で揃えないと、有難さがわからなくなるからって。今まで見せてもらった事はあるけど、貸してもらった事が無かった。貸してもらったセイントローブを着てみたら、急に強くなったような気がした。
今回だけ貸してあげるだけだから、ちゃんと自分で手に入れて、自分で精錬するのよ。って。
きっとお母さんもそうだったんだと思う。
破れたところが繕ってあったり、落ちない汚れが少し残っていたりするけど。ずっと大事に着てきたんだな、っていうのが良くわかる。
ちゃんと自分で揃えるよ。だって、なんか歴史感じちゃったし。自分でそういうの作り上げるのって、今から考えてもわくわくする。
自分で買える分だけミルクとか蝶の羽とか、どれくらい使うかわからないからハエの羽は多めに買って。テレポートは覚えてるけど、気力使うのが何となく怖いから。
準備はこれくらいかな。集めたブドウをジュースにして倉庫に預けてたのも、全部持って行っておこう。
臨時に参加するんだ、って言ったら、ナイアーも付いてきた。
一杯借りたって言ったら、お前ん家は過保護、って言われた。そうなのかな?
二人で参加できる丁度いいのが無かったから、自分達で募集を立てることにした。
どんな人が来てくれるかわからなくて、ドキドキしながら待っていたら、商人さんとかマジシャンとか、結構いろんな人が来てくれた。
もう一人、女の子のアコライトさんが来てくれて。これで前衛は剣士のナイアーと商人さん、後衛はマジシャンさんが二人と回復支援が二人になったんで、これで締め切り。
どこに行こうかって話になって、僕はずっとフェイヨンのダンジョンにいたから、他の所の事はよくわからなくて。ナイアーはバイラン島じゃなければ良いって。ずっと篭りきりだったから飽きたらしいよ。
マジシャンさんが二人とも火魔法が得意って言っていたら、商人さんが炭鉱にしないかって。人数分のエルニウム原石が出たらおいしいねーとか言って、そこに決まった。
僕はまだポータルは一個しか持ってなくて、プロンテラには帰れるんだけど。後から来てくれたアコさんも炭鉱の近くには無いって言うから、炭鉱のポータルを持っているアコさんかプリさんを探す事になった。
わりとすぐに見つかって、綺麗なお姉さんに応援してもらいながら出かけるのは少し気分が良い。
初めて行く場所ってドキドキするね。
もう一人のアコさんがプロンテラのポータルは持ってるって言うから、全員で一度炭鉱前のカプラさんで印を貰った。
僕のポータルじゃ帰れなくなるけど、任せちゃって良いらしい。よろしくお願いしよう。
危なくなったら戻ってこよう、無理はしないようにしよう。と、約束して。それから、もう一人のアコさんと担当を決めてから。僕が速度増加、彼女がブレス。彼女はヒールや速度を上げるよりも、ポータルとかを取るのを優先しているらしいから。
一人で頑張るなら、早くニューマを覚えた方が良いんだって。
初めて入った炭鉱、本当は廃鉱って言うの?ここはすごく暗くて周りが良く見えない。一応、冒険者になった時に貰った地図っぽいのはあるけど。やっぱりよく見えない。
みんなハエの羽を使って下の階で合流しようって。たくさん持ってきておいて良かった。
思ったより使わないうちに階段について。赤い蝙蝠が襲ってくるのから逃げるように降りたら、下はもっとわからなかった。なに?この道。地図なんか見たってわからないよ………。
やっぱりもう一階下に降りられる所で合流しようって、みんなハエの羽で飛んで行く。
僕もハエの羽を使う。飛ぶたびに細い道に出て、少しくらい歩いて進んでみようとしても、すぐに行き止まり。モグラは襲ってこないから怖くないけど、ツルハシを持ったガイコツがいたらすぐに逃げてる。骨になってもまだ働いてるんだって、大変だね。
やっと細い道じゃない所に出られて、あとは壁沿いに進めば良いみたいだ。もう着いてる人たちがこっちだよって言ってくれる。
合流してみたら、みんなして赤い蝙蝠を叩いている所だった。慌てて支援しようとしたら、もう倒し終わっちゃって。そうしたら、最後のマジシャンさんも合流してきた。
線路みたいな所を進んで、この先が一番奥で、もっと強い敵が出てくる場所だって。僕ともう一人のアコさんでブレスと速度を皆にかけて、僕は深呼吸してから、暗くなっている線路の先に進んだ。
働くガイコツのスケルワーカーが鉄鉱石とか鉄とかたくさん持ってるからかな、ブラックスミスさんとかがたくさんいる。
後は騎士さんとか聖騎士さん。剣とか槍とか、作ってもらう材料集めにきているのかな。
僕達みたいにパーティー組んでる人って、あんまり見かけない。………あ、ちょっと違う。こんな人数で組んでる人たち。二次職の人たちが、2〜3人で組んでるみたいなのとは、いくつかすれ違ったけど。
炭鉱だった場所だけあって、線路とか、色々資材みたいなのがゴロゴロしていて歩きにくい。
スケルワーカーも灰色っぽい塊も、3匹くらいならなんとかなるから。ちょっと奥まで行って、一箇所で落ち着いてから狩りしようって事になった。
僕はお母さんから借りてる装備のおかげで、いつもより疲れないけど。それでもやっぱり、すぐに気力が無くなっちゃうから。動かないで狩りが出来るならその方がありがたい。
商人さんは戦闘型、っていうやつなんだって。素早さ鍛えていて、それはナイアーも一緒だけど。だから速度増加があると嬉しいって言ってもらえた。二人ともだから、囲まれるともの凄く弱くなるんだけど……。持ち堪えてくれれば、マジシャンさんが倒してくれるから。がんばれーって、僕ともう一人のアコさんでまだ弱いヒールだけど、頑張ったんだよ。
大変だけど、なんだか楽しい。たくさんの皆で狩りするのって良いね。ナイアーと二人で狩りなら行った事あるけど、たくさんいると支援が大変だけど。すごく楽しいや。
何度も何度もヒールしていたら、やっぱり僕も彼女もすぐに気力が無くなって。疲れきると危ないからって、早めに休憩取らせてもらった。
早く、もっと強くなりたいな。
色んな話ができるのも楽しい。
マジシャンさんは、片方はウィザードで、もう一人はセージを目指しているんだって。同じギルドの人たちの武器を壊す勢いで属性つけてやるって、良いのかな。
商人さんはブラックスミスかアルケミストか決めてないって。斧を振り回したいからアルケミストも良いな、とか言ってる。アルケミストには斧の攻撃を強くする能力があるんだって。勉強になる。
アコライトの彼女は避けられる支援を目指すんだって。
………僕は、どうしよう。
あ、ナイアーは槍騎士ってのはもう知ってるから。
なんだか敵が出てきたからみんなで立ち上がる。
勝手に寄ってくるから、マジシャンさんの張ってくれる炎の壁で一旦足止めできるけど。それだけじゃ倒せないから、ナイアーと商人さんが殴りかかりに行く。
速度増加が切れるから掛けなおさないと、って。
みんなに掛けなおしている内に、どんどん敵が湧いてきて。
あっという間に、囲まれてしまった。
ヒールが、間に合わない。
ナイアーとか、商人さんだけじゃなくて。マジシャンさん達まで殴られてて。ナイアーが慌てて駆け寄ろうとするけど、敵に邪魔されて上手くいかない。
ナイアーはまだ回復力があるから良いけど、マジシャンさんは無いから。だから、せめて。上手くナイアーに押し付けてよ!死んじゃうから!!
もう気力が尽きたみたいで、アコライトの彼女はミルクを飲みながら逃げ回ってる。少しでも時間を稼がないと、ナイアーと商人さんだってもう危ない。僕の気力ももうすぐ無くなっちゃう。マジシャンさんたちは、お互いで張った炎の壁に突撃しあってる。それでなんとか振り切って、立て直して。
だけどもう、回復する力が僕にはない。
それなのに。
通路の向こうから、何か大きな影が。近付いてきて。
赤いボロボロの服を着ている。貴族みたいな。
よくわからない、変な物が一杯はみ出しているような。
イビルドルイド。
名前だけ聞いた事があって、実物は初めて見る。
それが最初に商人さんを打ち付けて、商人さんは地面に倒れこんで。それから…。
僕はナイアーに一回だけヒールを打って、何も出来なくなって。座り込むしかなかった。
どうしよう、何も出来ないよ。
ミストとか、スケルワーカーとか。まだまだ一杯近付いてくる。
どうしてこんな時ばっかりたくさん出るのさ?
みんな死んじゃうよ。誰か助けて、誰か………。
「神様…」
「この期に及んで神になど祈るな!!」
思わず目をつぶって手を組んであげた祈りは、後ろから飛んできた言葉に遮られて。すぐにヒールの光に包まれた。もうこれ以上回復できないくらい回復して。振り返ると背の高いプリーストさんが居た。
「祈るなって、……でも、僕達は神様を信じて…」
「信仰は自由だ。だが、今は別に信じる物があるだろう」
あんまり驚いて言った僕の言葉に答えながら、その人はまだ起きている僕の仲間達にヒールをかけていく。
別に信じるものって、……この人はプリーストなのに神様を信じて無いのかな。
「助けはいるか?」
ナイアーにヒールとキリエをかけてくれながら言う。
「これ、俺達には無理」
と、ナイアーが答えた。
起きていたマジシャンさんも、気力がありませんと答えてる。彼は炎の壁を張りながら、なんとか他のミストとかを頑張って倒そうとしてるけど。ほとんど逃げ回ってる。
プリーストさんがナイアーにアシペルシオをかけてくれたけど、やっぱり無理そう。ヒールを休んでいる暇が無いくらいだから。
またアスペルシオの詠唱が始まって、吃驚したらプリーストさんの後ろに居たブラックスミスさんへのものだった。
「お前は何を信じる?」
プリーストさんが視線を送ったブラックスミスさんは、一歩前に出て駆け出す前みたいに身体を折って。
「お前を…」
言いながら金髪のブラックスミスさんは地を蹴って本当に駆け出した。
「信じてるさ。後は頼んだぜ相棒!」
大きな斧を両手で振りかぶって、その攻撃がイビルドルイドに当たったのを見計らってから、プリーストさんは倒れている仲間達を順番に起こしてくれた。
「立ち上がれ、自分に出来る事をしろ!ヒールなら鼻血吹くほどくれてやる!」
本当に、鼻血を吹くんじゃないかって程ヒールをくれて。イビルドルイドと戦う、多分仲間なんだと思うけど。ブラックスミスさんはほとんどほったらかしで僕達の支援をしてくれた。
「パーティー組めたら、もっとマシな支援がしてやれるんだけどな」
とか言いながら。それでもまだ僕が持っていないような、インポシティオマヌスとか、キリエエレイソンとか。たくさん、本当にたくさん。それに、さっきのリザレクションとかキリエエレイソンとか、もの凄く詠唱が早くて。
プリーストさんは、もう一人居たブラックスミスさんに守られてる。だから、僕達は自分たちの事だけ心配してられた。
本当ならきっと、全滅しているんだろうけど。
全然なにも、心配する必要も無いくらい。
金髪のBSさんは、攻撃は全然速くないし避けないけど。でも平気な顔をしてる。だから、ちょっと気が付く事ができた。
きっと、僕達が相手をしているようなのも全部、一気に倒せるくらい強いんだって。
アスペルシオって凄いと思った。ナイアーや商人さんの攻撃が、すごく強くなるのがわかったから。アクアベネディクタはどうしようかと思ってたけど、やっぱり覚えよう。全部終わってから、僕はそう思った。
さっきまであんなに騒がしかった、…殺気立ってたのが不思議なくらい、あたりは静かになってる。
皆ぐったりして座り込んで、立っているのはプリーストさんと、そのそばに居た銀髪のブラックスミスさんだけ。二人とも背が高いから、僕達は見上げながらお礼を言った。
金髪のブラックスミスさんは、イビルドルイドを倒した後は新しく寄ってきた敵とか片付けていて。それが終わったんでやっぱり座ってる。僕達に親指立てながら笑ってくれて、なんだか照れくさい。自分達の力だけで頑張れたわけじゃないし…。
銀髪の人が僕達のそばにしゃがみこんで、よく頑張ったねって優しそうに笑ってくれたから、なんだかもっと恥ずかしくなった。
羽とか回復剤とか、足りなくなったもので必要な物があったら、原価で売ってくれるって。ありがたく皆でミルクとハエの羽を買わせて貰った。………初めて原価知っちゃった。今度から買い物のときは良く考えて買おう。
僕の頭の上に手が乗って、なんだろうと見上げたら黒い髪のプリーストさんだった。
「なぁ、お前さん。目の前に居る仲間を信じられずに、神に祈るのは馬鹿げていると思わないか?」
その目は、買い物の終わった商人さんと話している、金髪のブラックスミスさんを見ていた。
信じてる、信じたい。でも、僕達はまだ弱くて、信じすぎても負担になってしまう。信じられても、僕は力になりきれない。
だから。
「信じても、信じてもらえるだけの力が、僕にはまだ無いから…」
目の前のプリーストさんの黒い目は、何を考えてるのかわからない。ただ、ブラックスミスさんから視線を移して、今は僕を見ている。
「やっぱり神様に祈るしか…」
「祈りは心の中で捧げろ、口から出すのは仲間を助ける祝詞だ。祈って得られる力は仲間を助けるものだ。そして目をそらすな。ただの祈りを唱える暇があるなら、俺達には出来る事がある」
でも、それは、でも。
「僕には、……まだ」
仲間を助ける祈りを、祝詞の言葉を、唱え続ける力が無い。
「そのために、持ちこたえて耐え続ける仲間を信じろ」
言葉のすぐ後に離れた視線はまたブラックスミスさんに向かって、その顔は自分の仲間を誇るように微笑んでた。
「神頼みしたって神は助けちゃくれない。自分と仲間を助けてくれるのは、己の意思と力だ。まぁ、力を得るために祈っておくのも良いけどね。いと高き神に栄光あれ!だ」
「いや、グロリアじゃなくてヒールくれ」
金髪のブラックスミスさんがプリーストさんに、山羊の頭みたいな飾りの付いた杖で殴られてた。
この人たちが、強いのが羨ましい。
力が、とか、そういうのじゃなくて。
仲間を信じる事ができる強さが、羨ましい。
「あの子は口は悪いけど、悪い人じゃないからね」
と、僕達の近くまで来て銀髪の人がこっそりと言った。
すれ違うたびに、凄く気にしていたんだよ。と。
心配されてたみたいだ………。ここに来るのって、まだ早かったのかな。
「こういった場所で、いきなり大量の敵に囲まれるのはたまにあるから。時には引いたり逃げる事も無駄じゃないんだよ」
そう、優しく言ってくれた。
慌てず騒がず落ち着いて、対処すればけっこう何とかなるものだから、と。
まだここにいるつもりなら頑張って、とも言ってくれた。何か足りなくなったら、自分を見つけてくれたら売ってくれるって。
「さて、俺達もそうのんびりしている暇も無い」
「そうだっけ?」
「あんたがファイアクレイモアをクホったから来てるんだろうがっっっ」
「ごめんよぉぉ〜〜〜〜」
「ミレスにばれる前に証拠隠滅するんだろう?さくさく狩れ」
「なぜ俺に言う?」
三人で掛け合い漫才みたいなの始めながら、またな、とか、頑張れよ、とか言いながら立ち去っていった。
ブラックスミスさんは二人とも同じギルドのエンブレムをしてた。プリーストさんは別のエンブレムをつけてたけど、みんな仲が良さそうだ。
ギルドも良いなぁ……。
いつか、僕もあんな風に自信を持って立てる日がくるのかな。
「あたし、がんばる」
もう一人のアコさんが、ぽつりと言った。
「僕も……」
二人で顔を見合わせて、照れたみたいに笑った。
きっと、同じような気持ちなんだと思う。
強くなりたい。
一緒に居る人たちを信じきれるくらいに、信じてもらえる自信が持てるくらいに。
お母さんみたいなプリーストになるのが目標だったけど。実際に見た事が無いから、何となくこんな感じかな?って想像するしかなかった。それにお母さんは女の人で、僕とは違うから。
どんなプリーストになりたいか、やっと、決まったような気がする。
アコさんと二人でかっこ良かったよね、とか話しながら。彼女は女の子だから、なおさらちょっと嬉しかったみたいだ。商人さんはブラックスミスになるって。戦うならやっぱりBSだ、とか、力こめて言ってる。
もう暫くいようか?と話し合って。新しく買わせてもらったミルクとか、無くなるまで頑張ってから帰ろう。って事になった。
せっかく売ってもらったんだし。これくらいは頑張らないとだめだよね。
イビルドルイドにはもう会わずに済んで。ちょっとまたたくさん囲まれちゃったりしたけど、さっきよりはみんな落ち着いていたと思う。危なくなったらミルクを飲んで、疲れたら休憩して。
今日は色々勉強にもなったよね。
あの人たちにもう一度会ってお礼が言いたかったけど。奥の方まで探しに行かないとだめだったら無理だから、けっきょく会えずに帰ることになっちゃった。
アコさんが残念そうだったけど、僕も残念。でも、出来ない事を無理にするのは良くないから。みんなして彼女が出してくれたポータルに乗ったんだ。
清算とかも初めてで、みんなで分けたお金はあんまり多くなかったけど嬉しい。
またね、って言いながら別れて行く。
商人さんとマジシャンさんの一人は、なんだか気が合ったみたいで。これからまた二人でちょっと狩りしに行くんだって。元気だなぁ。
もう一人のアコライト、彼女とお互い頑張ろうね、と言って。僕はナイアーと帰ることにした。
大変だったし、賑やかだったし、怖かったし、楽しかった。
一人じゃ出来ない事も、一緒にいてくれる仲間がいればできるのもわかった。
ナイアーも、頑張って強くなるって言ってる。
それから。
強くなって、僕が安心して支援だけしてられるように、守れるくらい強くなるからって。
僕は戦えないし、自分の身を守るのも危なっかしいから。ちょっと嬉しいな。
家に帰るとお父さんもお母さんも心配してくれてた。
大変だったけど、大丈夫だよ。一人じゃなかったし。
借りていた装備を返して、いつか強くなってお金を貯めて、自分で全部揃えるんだ。って言ったら、なんだか喜んでくれた。



強い、っていうのは。腕力とか、体力とか、力とか。そういうのばっかりじゃないと思う。
装備って大事だって、思ったけど。強いのは、それだけじゃないと思う。
僕は、僕の思う、強い人間になりたいな。
自分に自信を持てる強さ。仲間を信じる強さ。自分と仲間を誇れる強さ。
自分の足で立って、誇りを持って、自信に満ちて生きる。
そんな風に。
………なれるかな?
……………うん、なるんだ。
絶対。

2004.2.4

あとがきっぽいもの

これもある意味その後?
もしかして剣士×アコ?
せっかく唯一名前が出てきているのに、影が薄くてごめんよ、ナイアー。AGI剣士なんてやった事ないから今一わからんのだよ…。
そんな事言ったら、ブラックスミスも作った事は無いんだけど(衝撃の事実
各種情報系サイト様、いつもお世話になっております。・・・小説書くために(間違ってる

最初は16歳くらいを想定していたのに、2行目の時点で年齢を下げないと駄目だと悟りました。=■●_
どう頑張っても14歳くらいだと思います・・・・・。
ナイアーはいくつか年上のつもりだったので、そっちが16か17歳かな。って感じです。

どうでも良いけど、この文体、自分で辛いです_| ̄|○


ひっそりと、その後のお話でもあります。いろんな意味でその後。むしろ番外編。
名前を出そうかどうか悩んだ挙句に、名前を呼ぶシーンを削ってしまいましたw
後半出てきた3人組はウォルとジェイドとラヴニールさんです。即わかっていただけていたら嬉しいですが(^^;
そういえば今まではっきりと身長とか年齢とか書いてなかったなぁ、と思い出して冷や汗なんですが。
実は一番年上で背が高いのはラヴニールさんです。のんきなのっぽさん。それなのに一人称は「僕」
一人で萌えてます(死んどけ

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